晴れ間のご褒美、
そして霧のサプライズ
雨が上がり、空を見上げると、さっきまでの曇天が嘘のように青空が広がっていました。せっかくなので、少し足をのばして「十日町展望台」を目指すことに。市街地を見下ろす人気のビュースポットです。
車で30分ほど進み、魚沼スカイラインあたりまで来たところで――ふわりと霧が出はじめ、あっという間に濃霧に。


霧なんて久しぶり……
幻想的な景色だね



うん……なんかモンスターが
出てきそうだよ……



残念だけど、この霧じゃ
展望台から何も見えなそうだね
時計を見ると、ちょうどお昼どき。霧に包まれた道を引き返し、新潟名物・へぎそばのランチへ切り替えることにしました。
創業100年、老舗の味に出会う



へぎそばの超人気店なんだって!
楽しみ〜



混んでないといいなぁ……
お腹空いた〜
車で約40分。広大な田んぼに囲まれ、遠くに連なる山々。まさに“新潟らしさ”が詰まった風景の中に、目的のお店「小嶋屋総本店」がありました。創業100周年を迎える、新潟名物へぎそばの老舗です。
13時を回っていましたが、広い駐車場はほぼ満車。店内も行列ができていました。しかし回転がよく、広々とした座敷に30分も待たずに案内されました。





セレン、注文決まった?



天ぷらもいいし……
かき揚げも気になる……
迷うよ〜!
迷った末に選んだのは、「天ばら膳」。そばに加え、3種の味変が楽しめる天ばら丼のセットメニューです。運ばれてきたのは、ツヤツヤとしたコシのあるへぎそば、エビがたっぷり入ったサクサクのかき揚げ。思わず笑顔になるような豪華な一品でした。







このおそば、
つるっとしてコシがあって
美味しい!



かき揚げもサックサク!
エビがぷりぷり〜!
紹介してくれた友人に感謝したくなる味わい。セレンも天ばら丼の3種の変化をしっかり楽しんでいたようです。
モンスターとの対面、そして気づき
お腹を満たしたあとは、いよいよセレンが気にしていた“モンスター”との対面。向かうのは「十日町市松代」――ここでは大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ(※)が開催されていて、道中でもいくつものアート作品が出迎えてくれました。


(※)新潟県『越後妻有(えちごつまり)』の広大な里山を舞台に通年で美術展やイベントを行なっており、トリエンナーレを開催しています。
車を走らせること30分ほど、「農舞台」へ到着。この施設内外には40点以上のアートが点在しています。そしてその中に、ついにセレンのお目当ての作品を発見。









……あれがモンスター?



うん、“花咲ける妻有”。
草間彌生さんの作品だよ
セレンは恐る恐る近づいて、じっと見つめていました。



……今にも
動き出しそうだけど……



でも、もう怖くない。
なんだか可愛く見えてきた。



アートって不思議だね!
日本の原風景、星峠の棚田へ
15時半。松代の自然とアートをたっぷり堪能した後は、ラストスポットへ。せっかく十日町に来たのだから、やっぱり棚田の景色を見て帰りたい。
「星峠の棚田」へ向かう道は、ススキが揺れる細い山道。くねくねと車で登ること約15分――目の前に広がったのは、まさに絶景でした。
空の青、稲の金色、遠くの山々。その景色は、懐かしさと静けさをたたえながら、じっと心に語りかけてくるよう。







……また感動しちゃった



本当に素敵な景色。
ずっと見ていたいよね
旅の終わりに、小さな笑顔をお土産に
16時。帰りの新幹線は18時発。越後湯沢へ戻る途中、「道の駅 雪あかり」と知人おすすめの洋菓子店「パティスリースフェール 丸屋」に立ち寄りました。



道の駅で何買ったの?



しいたけだよ。
見て、これ……大きいでしょ!





えー!これはもう、
しいたけのモンスター!



それと、
お土産ももらったよ!



セレンも大好きな、
パティスリースフェール 丸屋の
「天使のほっぺ」!



わぁ、ふわふわでやさしい
甘さのクリーム……
パクッと食べられそう!



ねえ、食べていい?



だめだよ〜。
帰ってからのお楽しみ♪



……えぇ〜、残念……


最後に残るのは、あたたかい気持ち
17時。越後湯沢駅に到着し、友人にお礼を伝えてお別れ。お土産は定番の「笹団子」と、日本酒「越後武士」。



お土産なに買ったの?



笹団子と日本酒だよ。
セレン、好きでしょ?



……エビとかカニは
なかったんだ……




ずらし旅の魅力と、出会いに感謝
今回の旅は、紅葉シーズンを少し外した“ずらし旅”。そのおかげで、人混みに悩まされることもなく、景色も、アートも、思いがけない出会いも、ゆっくりと楽しめました。
とくに印象に残っているのは、あのモンスターとの出会い――最初は「怖い」と言っていたセレンが、最後には「可愛い」と笑っていたこと。不思議だけど、ふとした偶然が旅の流れを変えていく。
きっかけはいつも、ちいさな驚きや気づきから。だからこそ、セレンディピティな旅は面白い――。
今回は知人のおかげで、十日町の魅力をたっぷりと満喫できました。バスや列車だけでは難しい場所にも足を運ぶことができて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。



お世話になりました!



機会があったら、
またお願いします!