潮風とともに、駅をめざして
門脇吊り橋での絶景を後にして、のんびりランチでも…と考えつつ、城ヶ崎駅方面へと足を向けました。潮風がほんのりと香る広めの歩道。緩やかな登り坂が続きます。
道の両脇には、静かな別荘地がぽつりぽつりと現れて、まるで外国を歩いているような気分に。ふと遠くを見やると、雄大な大室山の姿。思わず見とれてしまいます。
……が、どうやらシーズンオフのようで、飲食店はどこもお休み中。門脇吊り橋から30分ほど歩いて、ようやく城ヶ崎駅に到着しました。

onakaga…… 空いたね……



うん、そろそろランチタイムだね



あっ!またか〜
(入れ替わるのか…)
雄大な山を見上げながら
ログハウス風の可愛い雰囲気の駅舎でひと休み。ランチのお店を探しながら観光ガイドを眺めていると、「大室山リフト」の文字が目にとまりました。
そういえば、さっき道中でも見かけたあの山――あのてっぺんからの眺めは、きっと気持ちいいに違いない。



……はい、次の目的地は
大室山に決定!



おなかすいてるんだけど〜
とりあえず、山の絶景を目指して出発!伊豆高原駅まで電車で移動し、駅に着くとすぐにバスが到着。迷う暇もなく乗車。ランチは、もうちょっとだけおあずけ。
黄金のススキに迎えられて
PM12:30、大室山に到着。バスはランチタイムにもかかわらずほぼ満席。みんなこの絶景を楽しみにしているんだな、と期待が高まります。
バスを降りて山を見上げると、早くも感動シーン。太陽に照らされたススキの草原が、まるで山肌を流れる黄金の波のように輝いていて、見惚れるほどの美しさ。その景色に心を奪われて、いつの間にかランチのことも忘れていました。


空中を進む、風とススキの旅
大室山は人気のスポット。リフト前には予想通りの長い列ができていましたが、回転が早く、思ったよりすぐに乗れました。



いよいよ空中散歩に出発だね!



ちょっと緊張するけど……
ワクワクする!
リフトに乗ると、下には一面に広がる黄金のススキ。風が吹き抜けるたびにふわりと揺れるその景色が、心まで軽やかにしてくれます。山を降りてくる人たちの笑顔が、その先に待つ景色のすばらしさを物語っていました。
頂上で出会う、ことばを失う景色
山頂に到着。混雑しているかと思いきや、意外にもすんなりと歩き出せました。ただ、風が強いので帽子や荷物には注意が必要です。
お鉢巡りを進んでいくと、視界がどんどん開けていき、感動が押し寄せてきます。
五体の地蔵尊が安置されている辺りまで来ると、そこには360度の大パノラマが。伊豆諸島、天城連山、富士山、そして南アルプスまで――言葉がいらないほどの絶景が広がっていました。






帰り道も、旅の一部
PM15:30。
そろそろ帰らなければならない時間。



もう帰るの……



名残惜しいけど、
新幹線の時間があるからね
バスで伊豆高原駅に戻り、ランチには間に合わなかったので、お弁当を買ってお土産を少しだけ物色。気がつけば、もう出発の時間。伊豆急行線とJR伊東線を乗り継ぎ、熱海で新幹線へ。
車内では、ほっと一息ついてお弁当と缶ビールを楽しみながら――
「セレン、乾杯〜」……と、飲み干す前に眠気がやってきて、気づけば夢の中へ。
Serendipityな旅の余韻
こうして、慌ただしくも心に残る伊豆高原の旅が幕を下ろしました。
1日目は、伊豆急行の車窓からの海、夜の静けさと自然。2日目は、海岸線の迫力ある景色と吊り橋、そして大室山からの圧巻の大パノラマ。何気なく始まった旅が、思いがけない出会いと感動にあふれていました。きっかけは、セレンの何気ないひと言。
ちょっとだけ予定をゆるめてみる。
ちょっとした好奇心に、素直に従ってみる。
そして、ほんの少しの勇気で、
一歩踏み出してみる――。
たったそれだけで、旅はぐっと自由に、豊かになる。そんなSerendipityな旅の魅力を、今回あらためて感じることができました。
ちなみに帰りの伊豆急行の車窓も楽しみにしていたのですが……外はすっかり暗く、そしてなにより――ぐっすり寝ちゃいました。



伊豆高原の2日間、
あっという間だったね!



うん、すっごく楽しかった!



そうだ、次は……



美味しいKANIを
食べに行きたいなぁ〜♪



・・・・・・・・・
(聞こえないフリ)
セレンのあしあと
伊豆高原駅に電車で戻りバスで大室山へ。
PM17:00頃 伊豆急行で熱海へ。(約50分)
PM18:00頃 熱海駅を出発、新幹線で東京へ。(約50分)