朝、森の息づかいの中で
AM7:00。
自然に包まれて迎える朝は、やっぱり格別。朝食を済ませ、ふらっとロビーに立ち寄ると、観光パンフレットの中に気になる名前を見つけました。その名も「城ヶ崎ピクニカルコース」。
海沿いを歩ける散策路で、迫力ある絶景スポットが点在しているらしい。距離はちょっとあるけど……自然好きのセレンなら、きっと気に入るはず。

セレン、準備はいい?



えっ……またたくさん歩くの?
緑のトンネル、足音だけが響く
今回のスタート地点は「城ヶ崎自然研究路」の“いがいが根”。ここまで宿から徒歩15分ほど。そこから、人気の「門脇吊り橋」を目指して歩いていきます。



じゃあ、出発〜!
林の中の道を進むと、次第に人通りが少なくなり、ちょっとした冒険気分に。鬱蒼とした林の中にぽっかりと現れた小道は、少し薄暗くて、どこか神秘的。さらに5分ほど進むと、木々の切れ間から潮風がふわり。視界が一気に開けて、青い海がきらきらと光りはじめました。





潮風がkimochiiね ♫



そうだね!
あっまた答えちゃった……



潮の香りも、
なんか落ち着くね ……
……と思ったら、
セレンがくたっと座り込みました。



あれっ……
もう疲れちゃったの?



景色をゆっくり愉しみたいの♫



あと、ちょっとだけ抱っこして〜
門脇吊り橋までは約90分。“散策”とはいえ、城ヶ崎自然研究路は足場が悪い場所も多く、アップダウンもたくさん。サンダルでは歩けません。でも、ちゃんと準備はしてきたし、セレンとの旅では歩くことも楽しみのひとつ。



もう少しペース落として
歩いてよ〜



揺れると目が
まわっちゃうよぉ……
風と波と、絶景と
道中、木立がふいに途切れて、目の前にぱっと開ける景色。伊豆大島を遠くに望み、岸壁に打ち寄せる白波が轟音とともに現れます。


ここを歩いた人だけが見ることのできる風景。その迫力に思わず息を飲みながら、自然がずっと変わらずここにあったことを思うと、なんとも言えない感慨がこみあげてきます。
吊り橋の向こうにある達成感
ようやくたどり着いた、門脇吊り橋。歩き続けて約45分、道が舗装されて格段と歩きやすくなってきました。途中、日蓮上人ゆかりの「蓮着寺」に立ち寄って、ここで自然研究路は終了。



ちょっと大変だったけど、
楽しかったね!



ふふん、
まだまだ余裕だよ〜!
数分先にある「伊豆海洋公園」では、ダイビング機材とウェットスーツ姿の人々で賑わっていて、海辺の雰囲気を存分に感じられます。そしてここから、城ヶ崎ピクニカルコースが本格的にスタート。道幅は広く、平坦で歩きやすくなります。けれど……人の数がどんどん増えてきました。



セレン、
ちょっと急ぎ足でいこうか!
ゆれる橋の上で、深呼吸
門脇吊り橋は、断崖絶壁にかかる全長48m・高さ23mのスリル満点の橋。橋の下には真っ青な海が広がり、まわりを見渡せば、ほぼ360度の絶景!(……ちょっと言い過ぎ?)
風が吹くたびにゆらりと揺れる橋に、セレンの目もキラキラ。







わー、ちょっとこわいけど、
楽しい〜!
AM11:30。
いがいが根からスタートして、城ヶ崎ピクニカルコースの門脇吊り橋まで、自然と向き合う120分の散策が終了。
(最終話に続く)



セレン、次は……



ちゃんと最後まで歩こうね?



…………
(聞こえないフリ)
セレンのあしあと
AM10:45頃 蓮着寺に到着
AM10:50頃 伊豆海洋公園に到着